プロフェッショナルに聞く

アイシグリーンシステム株式会社
代表取締役 石下秀臣

独立の動機は?「前の会社がつぶれそうになったから」
気さくに話をしてくれる石下さん。
ゴルフ場に特化したビジネスで創業以来増収増益を続けている。最近は夢であった中国にも新規事業を進出。創業時から5年単位で目標を計画し、5年後に新社屋を建てる。その5年後に新規事業へ進出する夢を次々と実現。その石下さんに独立してから現在までのことを聞いてみました。
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アイシグリーンシステム株式会社代表取締役 石下秀臣アイシグリーンシステム株式会社
代表取締役 石下秀臣

何かに特化した事業を立ち上げるべき

独立してアイシグリーンシステムを立ち上げたきっかけを教えてください。

石下:
以前の会社がつぶれた・・・と言うか、業績が芳しくなくて、オーナーから「独立したい人はどんどんやってくれ」というようなことを言われたんです。当時、調剤とLPG、ゴルフ場と舞台があったけど、私はゴルフ事業に専念しようと思い、独立しました。

オーナーの一言が独立のきっかけですね。

石下:
以前から業界に特化した仕事しないといけない、いつまでも下請けばかりでは先がない、と考えていました。「調剤のシステムやろう、ゴルフ場のシステムやろう」などとね。もともと、私は医療関係(レセプト)が強かったんです。法改正などかなりの専門知識が必要ですけど、医療関係では一から十までシステムを作り上げましたよ。でも、専門知識が必要ということは、その部署から離れにくくなります。常につきっきりでメンテナンスしないといけない。当然他の仕事はできなくなりますね。当時で言うと、10年くらいやったのかなぁ・・・僕の記憶で言うと二百数十箇所のお客様は、大手のパッケージソフトがあって、そちらの方に順次切り替えていきました。結局、メンテナンスが大変だったんですよ。

独立するには頭よりも気力と

その後独立してゴルフ場のシステム開発に。それでゴルフ場パッケージに進まれたのですか?

石下:
いえ、当時のゴルフ場には、メインのパッケージソフトはありませんでした。それに、コンピューター管理もまだ手動でいい、というところが多かった時代ですから。ゴルフ業界そのものはそんなに不況でもありませんでしたよ。、僕らがいたのはバブルの前でしたから。 でも、その後バブルが崩壊し、ゴルフ場の倒産や不況が押し寄せてきました。しかし、ヤバイとかそんなことは全然考えていませんでした。逆に、そういう不況の中にこそビジネスチャンスがあると思っていましたから。不況だからこそ、経費は削減しなきゃいけないけど、業績も伸ばさないといけない。そうすると、コンピューターは大きな武器になると考えたので。コンピューターとは社会システムに貢献する小道具です。ですから、経営のコアとしてはやっぱり大きいと思うんです。それで、ゴルフ業界は、一番自分に合っているし、ライフワーク的な感覚でできるかな、ということでスタートしました。動機はそんなに格好いいものじゃないけど。

「商品は何でもよかった」「たまたまめぐり合っていた商品が事業になった」とおっしゃる方も多いですね。

石下:
思うに、商売をするには、それなりの情熱が必要だと思いますよ。一番は体力、二番は気力。体力、気力がない人は独立はやめたほうがいい。どんなに頭がよくてもそれらがないと、絶対に成功しないと思う。だって、独立して自分がダウンしたら終わりだから。誰も助けてくれないし。だから、絶対的な体力のある人じゃないと難しいと思う。他人が休んでいるときに働かないといけません。

独立して年収はどうなりました?

石下:
僕の場合は前職の年収に追いつくのに3、4年はかかってますね。社員は旧職場よりも高い給料になりました。おそらく、私についてきてくれた連中は相当年収は上がってます。自分の給料は下がってもまずは社員の給料のことを考えました。自分の給料のはそのうち取り戻すっていう気持ちがありましたし、儲けたら役員の報酬でもらえばいいから、という気楽な気持ちもあったので自分自身に対してはそんなに苦痛には考えなかった。

今は前職の10倍くらい?(笑)

石下:
よく言われます(笑)。でも、今考えてみると、1.5倍もいってないんじゃないでしょうか。1.2倍くらいかな・・・。

昔から結構給与をもらっていたのですか?

石下:
当時は2社の取締役でしたから。役員報酬は両方からもらってた。自分で言うのもなんですけど、相当重要な部署にいて、相当重要な働きをしていたと思います。

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常に5年単位で計画を立てる。

今でも体力に自信はありますか?

石下:
ありますよ。新規事業を始めましたから体力は不可欠です。

どんな事業ですか?

石下:
ずっと昔から予定していた事業で、中国にゴルフショップを展開する事業です。以前は漠然と「中国とかかわりのある仕事をしたい」と考えていました。システムは売らないのか、と言われますけど、向こうの言葉に書き換えるのって大変なんですよ(笑)。それに、中国はまだ200くらいしかゴルフ場がないんです。中国はこれからの国ですよね。1店舗目はわりと売れています。でも夏場は・・・赤字にはならないけどギリギリですかね。

事業を立てる前から計画はきっちりと立てていたんですね?

石下:
私はいつも5年先を見ています。5年後にお金をこれだけ貯めるにはどうするか・・・など。5年単位という計画って立てやすいんですよ。10年先はわからないけど。5年は長いようでも、意外と読めます。今のところ、これまでの計画は100%達成しています。今期の売上は去年の5割り増しくらい・・・今のところ3ヶ月で今年度の年間計画の半分に到達しています。

その数字はすごいですね。

石下:
自分でもちょっとすごすぎると思う。でも、たまたまなんです。弊社のシステムは評価が高いです。国内でも全国レベルで高い。うちの会社は同業界の中では知らない方がいたらモグリ、と言われるくらい。冗談ですよ(笑)。

それだけ会社が成長、浸透してきたということですね。

石下:
他にもゴルフ業界でシステムつくる会社があって、そこのオーナーによると、話をするときにうちの会社の名前が出るらしい。「九州じゃ太刀打ちできない会社で、今度関東に進出するから困るね」などと言われているらしい(笑)。

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社会に貢献しようとする気持ちが大切

先ほど、独立するには気力・体力が必要だとおっしゃっていましたけど、それ以外に何か必要なものはありますか?

石下:
後々気づいたことですが、社会に貢献するという気持ちが必要ですね。どんな仕事でもそうなんですよ。飲み屋で働いたら「疲れた人を癒す」という社会貢献になる。そういった思いを抱えていないといけない。私たちのシステムも「社会に貢献するシステム」ということで売っている。どんな職場でも「自分は世の中の役に立ってる」という強い信念を持つと、ずいぶん違うと思います。

独立や起業を考えている方へのアドバイスはありますか?

石下:
何かの業界に特化するのが一番ですよ。僕が警鐘を鳴らしたいのは、著名人を夢見て独立する人が多いけど、下請けに回った独立では、ただの日雇いと同じだということ。財産が残らないんですよ。下請けの仕事は自分たちの財産ではない。財産が残らないような仕事をしては絶対にダメですね。 社員にも、個人ではなく会社としての財産をいかにして残すか、という意識を持ってもらうようにしています。われわれが開発したものはすべて財産として残っているし、このビルだって最初は借金だけど今は大切な財産。

シンプルに考え決断は早く

石下さんにとっての財産とは?

石下:
システムも大事だけど、ユーザー、お客様が一番の財産です。きちんとサポートしていけば、5年後、6年後のリプレイスのときに、またうちのシステムを採用してくれる。だから特化しなさい、と言うんです。売り切りだったら怖いですね。リプレイス、そのためのサポートはしっかりしなきゃいけない。私がいつも言っているのは「システムは生きもの」。常に成長している。そういう認識を持ってやらないとダメ。世の中では次から次に新しいシステムが出てきますけど、それをいかに上手に採用して世の中に貢献できるかということを常に考えていないといけません。弊社では年間約20件くらいリプレイス、ひとつのお客様はだいたい5年に一度かな。最近は5年より少し長いですけど。

今後の抱負を聞かせてください

石下:
今100社あるお客様を、倍の200社にすること。計画を立てたらたくさん営業すること、ただそれだけ。気力体力に任せてね。私の考え方はいたってシンプルで・・・後の枝葉を事細かに考えていくと、疲れるだけでしょ?行動もシンプルに。何か迷ったら白黒を早目に付ける。引っ張らないということが大事ですね。決断は早いほうがいいですよ。

本日は大変貴重なお話、ありがとうございました。

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